遺言書の保管者又は遺言書を発見した相続人は、遅滞なく、家庭裁判所で検認の手続きをする必要があります。
公正証書遺言や自筆証書遺言で法務局で保管されているものは対象外ですが、それ以外の自筆証書遺言の場合、この検認の手続きをする必要があります。
ここでは、そのような遺言が存在する人のために遺言書検認の手続きの流れについて説明します。
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事前相談
遺言書検認の申立てをする場合、必要書類を準備し、管轄裁判所がどこなのかを確認する必要があります。
この場合、最寄りの家庭裁判所に出向いて手続案内を受けるのが一般的ですが、出向くことが困難な場合も考えられます。そのような時は、裁判所のホームページから書式をダウンロードすることが可能なので、ご自分で手続きを行うことも可能です。
ご自分で行うことが困難な場合、手続きの全部を依頼する場合は弁護士に、申立書提出までであれば司法書士に依頼することも考えられます。
行政書士は申立書の作成及び提出はできませんが、あなたに代わって戸籍謄本の収集等、作成支援を行うことは可能なので、先ずはご相談ください。
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申立書の作成
遺言書検認申立ての手続
1.申立権者(申立てが出来る人):遺言書の保管者又は遺言書を発見した相続人
2.申立ての時期:遺言者の死後、遅滞なく
3.管轄(申立書の提出先):相続開始地の家庭裁判所(遺言者の最後の住所地(住民票がおいてあった所)を管轄する家庭裁判所
4.申立費用 手数料:収入印紙800円(遺言書1通につき)
通信用郵便切手:裁判所により異なる。
(長崎家裁の場合:84円切手 相続人の数+3枚)
5.添付書類
遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本及び住民票除票(又は戸籍附票)
相続人全員の戸籍謄本
最低限必要な戸籍は以上のとおりですが、第2順位、第3順位の場合等、
別途、必要な戸籍があります。
※法定相続情報を添付する場合、戸籍謄本等は不要です。
※遺言書の封がされていない場合など、遺言書の写しを申立書に添付して提出する必要があります。
6.遺言書原本
遺言書は申立書提出時に必ずしも持っていく必要はありませんが、検認期日には申立人が必ず持参する必要があります。
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申立後の流れ
一般的な流れは次のとおりです。
1 管轄裁判所に申立書を提出。
※原則として、申立後は申立てを取り下げることはできません。
2 裁判所より申立人及び法定相続人に対し、「検認期日通知書」の送付
※検認期日には、遺言書を保管している申立人は裁判所に出向く必要がありますが、
申立人以外の者は、出席してもいいし、出席しなくても構いません。
3 検認の実施
4 検認調書の作成
※検認期日に出頭できなかった場合等、必要があれば、検認調書謄本の請求等が可能
なので、一般的には、出頭ができなくても遺言書の内容を確認することが出来ます。
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検認済証明書の交付
検認後、検認済証明書の交付申請(手数料:150円分の収入印紙)をすることで遺言書の原本に検認済証明書を付記してくれます。
法務局で相続登記をする場合など、この検認済証明書がついた遺言書が必要になります。
詳細は管轄裁判所で確認してください。
行政書士は遺言書検認申立書の作成支援を行うことできます。
申立書の提出代行は、司法書士の独占業務であり、
行政書士は提出代行を行うことはできませんが、戸籍謄本等の収集等、支援業務を行うことは可能です。
まずはお気軽にご連絡ください。